2010年05月12日

ただ、一緒に分かち合いたいだけなのに・・・

すいいち企画にやってきた重度自閉の当事者。
今日は、非常に落ち着きがない。
玄関の扉を思いっきり開け、ドスンと扉が外の壁にぶちあてている。

何かが原因でそうしているのだろう。
何かに混乱してそうしているのだろう。
自らでどうにか落ち着けようとしているのだろう。

しかし、
玄関の外はいろんな人が行き交うエレベーター前。
突然扉が開けばびっくりするだけでは済まない。

彼のそうしてしまう原因や混乱やそして、自らが引き受けようとする気持ちはすごく分かる。
しかし、何が原因か?何に混乱しているのか?どうして自分だけで解決しようとするのか?

「ねぇ〜ねぇ〜」と声をかける。
「ハイ!!」と応えるもさらに顔つきが厳しくなる。

「ハイって何だろうか?」
「ハイ!」
「そのさぁ〜。扉だけどさぁ〜。」
「ハイ!ハイ!ハイ!」とさらに厳しい顔つきになり、私から逃げようとする。
でも逃げる場はない。
トイレに駆け込む。
トイレの扉越しに、「玄関の扉を思いっきり扉を開けると外に人にぶつかるから」

と言えば、トイレからでてきて、
「あっち!(あっちの部屋に行っての意)」
「はいはい。」

一瞬収まるような雰囲気も感じたが収まらずさらに激しく扉を開け閉めする。
いよいよヤバイと思い、近づけば更に激しさは増し、ドアを壊して逃げていった。(彼としては、一旦その場を離れて落ち着こうとする意)

そして、丁度みんな帰る段になって戻ってきて、多少の不安さは持ちつつも、前の激しさはなく、微妙な雰囲気を持ちつつ、しばらくして帰って行った。

さてさて、
私は只、
彼自身の「何か」を知り、一人で解決するのではなく、一緒に考え解決したいと思っていた。
でも、彼の側はたぶん私に「怒られる」と思ったのかもしれない。
彼自身落ち着きを取り戻し、事柄の整理をしようと思っての行動と私は思っている。
でも、私の声かけは彼にとって「止めさせられる」と受け取ったのかもしれない。

彼自身、周囲からの声かけは常に「怒られる」「止められる」と言う場面ばかりだった事もよく知っている。
でも、その行為自体は止めないとさらに彼はリスクを負う。
でも、彼の混乱事態は本当に心苦しく、一緒に考える事ができればどれだけすごい事かと思う。

しかし、20数年付き合ってきてもそうはならない。
時折、彼が語らずとも傍で見ていて彼の混乱が理解できる時は、その事を口に出せば自然と落ち着く。
でも、いつもいつも彼の想いを理解できるわけではない。

なので、
彼とともに考え、ともに整理し、ともに解決していきたいと願う。
しかし、それは彼とだけで解決できるものではない。
彼は彼の歴史や背景や経験があっての事。
私と彼との関係はほんの一部分でしかない。

そう思うと、なかなか一緒に分かち合う事ができず、彼のみが辛い想いを引き受け、分かち合おうとすればするほど、ますます彼自身が辛くなる。

しかし・でもとあれこれ悩まされる一場面であった。
posted by 岩ちゃん at 20:29| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 当事者の不思議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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