2014年07月24日

「当事者の意思」を「支援者が決める」という事

自己選択・自己決定・自己実現。
近年その言葉を何度口にしたことか。

身体当事者たち自らが語るその語りはとても重要と想う。
しかし、自らが語ることができない、語れても周囲の聞き取り方によるところが大きい知的当事者の自己選択・自己決定・自己実現と言う話。

まじめに考えれば考えるほど迷路にはまり込んでいく感覚がある。

これまでブログには日常の様々な場面や出来事を通じ、当事者自らに拠る「選択」「決定」「実現」について何度も書いてきた。

その事柄自体はあれこれ書けても、
個々人の実際は、常に悩ましい状態にある。

解決不能な事であっても、日々の暮らしの中でとにかく決めていかなければならない事がたくさんある。

昨夜、
アパートで一人暮らしをしている重度知的当事者の8月の予定とそこにかかる支援体制について、
本人と事業所ヘルパーと支援者とでやり取りをした。

通常にはない夏休みと言う存在。
日中活動が1週間休みになる中、当事者はいかに過ごすか?
と言う話になる。

普段やれないことを本人が明確に言ってくれるなら、
それに基づいて支援体制を組めばよい。
事業所の都合もあるだろうが、
利用者として存在する当事者の要望に事業所は懸命に応えてもくれる。
基本複数の居宅介護事業所を利用しているので、いづれかの事業所で応えてもらえるよう調整もやり易い。

ところが、
本人の意思が見えない重度知的当事者の場合は・・・。

まだまだ付き合いの浅いヘルパーにとって、本人の意思が明確でないとなんとも言えず戸惑ってしまう。
信頼の置ける事業所でありヘルパーさん達なので、自分の都合で当事者の予定を組む事はしない。
実際事業所の体制の問題はあったとしても、実際本人の意思に可能な限り応えようと努力してくれる。

しかし、事業所が性善説に基づいて当事者と付き合っているとは限らない。
自らの体制の不十分さを誤魔化したり、
自分たちの儲けの方を考え、
当事者の予定を組み立てようとする人たちも実際には存在している。
そして、
それがあたかも「当事者の意思」であるかのように当事者を誘導し、当事者が決めたこととして扱い、
やり取りを重ねる人たちもいる。

又、必死に当事者の意思に則した支援をしたいと願っても、実際の体制が整わないため、泣く泣く当事者に予定の変更をお願いする場合もあったりする。

実際人の心の中は見えない。
だからこそ、本人の意思決定が重要となるが、
当の本人の意思が明確にならないから困ってしまう。

様々な事柄を想定し、様々な想いの可能性も視野に入れ、
喧々諤々と当事者が求めている意思や支援を検討し続けると言う手は理論上ある。

しかし、
とにかく決めていかなければならない状況に、議論をし尽くすことを待って入られない。

結局、
昨日の会議において、
休み期間中の本人の予定は「私が決めた」
可能な限り本人の意思がどこにあるかを考え抜いて、
様々な場面における本人の様子や表現も参考にしつつ、
それでも「私が当事者の意思を決定した」と想っている。

それは、
長年彼のことを見てきて、彼の暮らしの様々な場面を知っていて、支援の中心を担っている者だから、
「決めてよい立場にいる人」と言う意味では決してない。

いうなれば、
とりあえず誰かがどのようにしてでも「決めなければ」当事者の暮らしは進んでいかないから、
とりあえず、そのたたき台として「私が決めた」と言う意味。

そして、
たたき台であるからこそ、
その予定と予定に即した支援体制の中で、実際暮らしを廻す中で、「私が決めたこと」と「本人の意思(実際の様子)」との「差異」を明らかにする必要があると想っている。

なので、
実際支援にあたる人たちには「あなたが決めたことに従う」のではなく、
「あなたが決めたこと」と「本人の意思(実際の様子)」との差異がどこにあるかを意識して担ってもらいたいと願っている。

そして、
意識する中で見えた「差異」は、再び訪れる状況下で「本人の意思」を考えなければならない場面に活かしていくということ重要だと想っている。

ただ漠然と「当事者の予定」を「当事者が決めた」とするのではなく、
懸命に考えても明らかにならない「当事者の意思」とする。
「当事者の意思」が明確にならなければ進められないならば「支援の側の意思」として正直に立つ。
その上で実際の場面の一つ一つを担うことで、
「支援の側の意思」と「当事者の意思」の差異を意識して見極めていく中、
繰り返しやってくる8月と言う時季を積み重ねていく。

それを長年付き合い続けることで、
「当事者の意思」により近づいていく手立てなんだろうと描いている。

posted by 岩ちゃん at 12:51| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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