2014年08月18日

意思決定の支援 考えされられた昨日の出来事

昨日は一人暮らしをする重度知的当事者の日中12時間の介助。
自宅で朝夕の家事と入浴介助を行う他はずっと一緒に外出していた。

訪問するとテーブルの上にはチラシが並べられていた。
自立生活している人の介助に入る時は、大概「今日の予定は?段取りは?」と聞いている私。
明確に応えられない人ばかりだけど、
本人にあって本人と顔を合わせ、
それを口にすることで、「彼の暮らしに則した介助を担う」という私自身のスイッチ的言葉としてあったりする。

そんなことを繰り返して10年近くになる。
そんな私に対して、チラシを並べて待っていた彼は、今日の予定や段取りを私に伝えようとしているのだろうと思った。

予定や段取りとは関係ないチラシと本人は食することがないパンをベースとしたレストランのチラシと「焼き肉食べ放題」と書かれた焼肉屋のチラシ。

そして、
焼き肉屋のチラシの「肉」を指さす彼。

「今日は焼き肉を食べたい〈作ってくれ!)」
「焼き肉屋に行きたい」
「食べ放題に行きたい」

このどれかを主張しているのだろうと私は想い描き、
いつもは短時間の家事が主流だけど、今日は時間もあることなので「食べ放題に行きたい」の意であるととった。
〈因みに、他のチラシについて説明するとすぐさま破棄されてしまったので焼肉店のチラシが本命とすぐに分かった)

お店の営業時間は夕方からだったので、
「夜は焼き肉を食べに行くってことですね」と聞けば、
首を横にふる彼。
「昼飯に焼き肉?」と聞けば、
「そうだ!!」とばかりに声を張り上げる。

「肉が食いたい・食べ放題に行きたい」
この時点で2つに絞られはするも、
さてどうしたものか?と彼の家にあった雑誌をめくり焼肉店とか食べ放題とかのお店を一緒に探す。
ところが、雑誌には「寿司・ラーメン・カレーライス」のお店がほとんど。
焼肉店はなくてしゃぶしゃぶのお店ばかり。

結果、区内の方に1件だけ「焼肉食べ放題!」という案内があり、
皿に盛られた肉の写真もあって、本人は出かける気満々!
と言う事で、「食べ放題か焼き肉か?」の謎は残しつつ(量と質のどちらを取るかって事)、
サクサクと家事をこなして出かけることとなりました。

「ランチタイム1時間制食べ放題1000円!」のお店の看板を見つけいざ入店!

1時間という短い時間に肉を焼いて食べると言うのはなんともせわしない。
二人で役割分担しようにも、食べ放題システムを理解できない彼を前に、
肉のチョイスも焼き方も焼けた判断も私がこなす。

しかも、安い店だけあってとにかく不味い。
不味いけど一旦入ってしまったのでもとを取らねばとひたすら肉を焼く。

焼ければ食べる彼。
システムが解らないので、水一つ自分で取りに行かない彼。
時間が短いので、システムを説明するまもなく、ひたすら私のチョイスで肉を持ってくる。
焼ければ食べる彼だけど・・・

果たして私のチョイスは正しいのか?
彼が食べたいと思うものを選んでいるのだろうか?
でも、そんなことを考えている間もない。
(「間もない」と思うのは、せっかちな性格と貧乏性故だろうとあとで反省)

とりあえず、
食事メニューに気を使う必要がない彼だから、ひたすら焼いてひたすら食べまくり、
あっという間に1時間が経過しました。

お互い不味い肉を腹いっぱい食べて、
せっかく都心まで出てきたからとブラブラとその辺りを散策。
「コーヒーが飲みたい」というのはわかったので喫茶店を探し入る。
猫舌でない彼は、出されたコーヒーを一気に飲み干す。
私は猫舌なので冷めるのを待っている間、
つかの間の休息タイムをお願いする。

そして、
再びブラブラ歩く。
「ココにこんなお店がある」
「このお店はココにあったのか〜」
「こういうのは知ってる?」などと彼に語りかけつつ散策するも、
あまり興味なさそうで空返事ばかり。

「そう言えば、以前この辺りにガイヘルさんとよく来ていたんじゃない?」と
過去ヘルパーから聞いた情報を思い出し彼に聞いてみるも、
言葉で語れない彼には答えようもなく、やっぱり私があれこれ語りかけるのみ。

「〈つまらなければ)そろそろ帰ろうか?」と聞いても空返事なので、
途中腰掛けられる場所を見つけたら休憩してのんびりと歩き続けた。

それなりに男二人でブラブラ散歩をかまし、
そろそろ帰宅して夕食のことやら入浴のことやらしなければならない時間になったので、
その旨を伝え「帰ろうか?」と言えば、これまでの空返事とは違う返事があったので帰路へ。

でも、
あてもなく歩いていたので
「ここはどこ?」「ここからどうやって帰れば良いの?」状態。

とりあえず、
地下鉄の看板が見えたのでその方向に降りて行って地下鉄に乗ることに。

さて、
切符売り場の前に立つと複雑に絡み合った料金表がある。
「当駅」と書かれた場所から自宅に帰るルートはいくつもある。

・いち早く帰るルート
・乗り換え回数が少ないルート
・歩かなくて済むルート
・座って帰れるルート
・安く帰れるルート等々。

たぶん使い慣れている人ならその中から提案もできるだろう。
でも、ココがどこかもよく解っていない私と彼。
提案してもその通りにいくわけでもない。

でも、
ココで以前地下鉄の乗り鉄ガイヘルをやったことを思い出し、
それなりのルートを提案してみた。
本人は言われるまま「ウン」というしかない。
ココからは、私が先導するしかなく、
とりあえず提案ぽく語るも、私主導で地下鉄に乗る事に。

でも、
実際改札を入り、地下鉄に乗ると真逆の方向の電車に乗ったことに気づく。
どうやら上りホームと下りホームの改札口が違っていたらしい。
3駅ぐらいで終点なので折り返せばよいかと思いそのまま乗る。
電車は折り返すも、歩き疲れた私は眠ってしまい、気づけば反対の終点へ到着。
今度は電車が車庫に入るとのことで降ろされ、
逆のホームに行くためには一旦改札をでなければならず、
事情を説明して許してもらい反対ホームへ。
一駅戻って乗り換え。
直通運転の電車に乗れば地元まで戻れることを知っていたが、
直通運転の電車は出た後だったので、どうしたものか?と提案。
「来た電車に乗る」という雰囲気でホームに立って列に並ぶ彼。
それに従い電車に乗るも、
いつも直通運転の電車に乗っていた私は、この先どうすれば良いか不明。
とりあえず、方向は間違っていないものの、
座っていくか?乗り換えのために階段を登り降りしないで済むか否か?
早く帰りたいか?あれこれ想うも、
とにかく来た電車にのることは本人の判断だけど、その後の判断は私任せ。
乗り鉄さんの時は、私が何をどう言おうが自らのペースで乗り降りしていたのを知っているので、
きっと彼も彼なりの想いがあるだろうと考えるも、
私に委ねる彼。

時間がなければ、ひたすら早くに帰れる電車に乗れば良いが、
時間には余裕があり、いっぱい歩いて疲れているという事もある。

結局は、一番楽に帰れる方法で地元に戻る。
駅前で買い物して帰って家事やら入浴やらをすれば調度良い時間だと思っていた私。

ところが、駅に着くなり喫茶店を目指す彼。
「えええ!!??」
「それならそれなりの時間を考えた電車を選んだのに・・・」と想いつつ、
そう言えば、車内でコーヒーの話をしていたのを思い出す。
それって「駅についたらコーヒーを飲もう」と言っていたのか?とそれを考えずにチョイスした私の判断ミス?てな感じで喫茶店でコーヒーを飲んでから後は日々のルーチン介助へと移っていった。

もしかしたら、
朝の選択自体を間違えていたかもしれないという疑問は残るも、
都心に出かけ最近の休日は暇を持て余していた彼としては、結構充実した休日だったように思う。
その辺りの意思決定は、結果オーライであれば次につながるし、
結果つまらなければ、次は違う手を考える材料になる。

食べ放題の店では、
意思決定というものがどういうことなのか?
店に入ってから出るまでの間中問われ続けた。
何をどれぐらいの量食べるか?
どういう順番で食べるか?
時間のない中で、本人に説明し本人の意思を確認していては、何もできない意思決定の支援。
「食べる」事に重きをおいてもとを取るか?
「放題」に重きをおき元を取るか?
その事を巡る本人の意思決定を支援することもさることながら、
「放題」とした時に、何をどのようにすれば支援と呼べるのか?
余裕のない中であれこれその不十分さを示された。

そして、
帰宅ルートの選択は、
時間があっていろいろ選べるものの、
選ぶための情報不足を痛切に感じた。
又、情報があっても基準が定かでない。
基準を示すことはできても、本人がどのような基準で選択するのかは非常に難しい。
それは、いくら時間をかけたとしても明らかにならない。

乗り鉄さんのようにひたすら後をついていくと言うのもありといえばありだけど、
ヘルパーにルートをすべて委ねるというのもありといえばありだけど・・・。
意思決定支援という面だけを取り出せば、
本人に任せるもヘルパーに委ねるもどこか十分とはいえないような気がする。

そして、
それぞれの局面においてあれこれ考えるも、

一日の時間。本人の暮らし全体という中では、
どれほど局面における意思決定支援にあれこれ思い描いても、
結果廻さなければならない面がある。
廻さなければならない面ばかり見ていては、
介助者による管理や介助者主導の暮らしになるだろう。

そんなことばかり考えていては介助者としては身がもたないけど、
久しぶりに彼のロング介助に入りあれこれ考え、
何ら答えは出ないけど、
後々のために書きとどめておこうと思った。

〈私の勝手なメモ的記事を最後まで読んでいただいてありがとうございます)
posted by 岩ちゃん at 11:27| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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