2015年08月17日

24時間ダラダラ介助

朝9時少し前。
一人暮らしをしている重度知的当事者宅にヘルパーとして訪ねる。
普段の週末なら家主はまだ寝ている時間。
前に入っている介助者に様子を伺い、今日の段取りを組もうと思っていた。

ところが、
すでに起きていて、朝食も済ませている。
「これは、今日もお出かけモードかも」と普段の様子から思い描く。

前の介助者が帰るとすぐさま
家主「どこ行くの?」と聞いてくる。(おっ!予想通り!と思う私)
私「どこ行こうか?」と応える。(「◯◯へ行く」等と明確な答えは返ってこないのは常。なので、こちらであれこれ提案する事になるが、あくまでも本人の要望に応えるというスタンスで、半ば儀礼的に応えている。そして、次の応えが返ってくるわずかな時間にあれこれ考える私)
家主「・・・・・・・」
私「あれ?」と思う。(普段なら、何らかのリアクションがあるのに全くない)
私「どこ行こうかね〜?」(この時点では、1週間の夏休みも残り2日。いろいろ出かけただろうから、新たな出かけ先を提案するか?それとも、気に入った出かけ先にするかを考え中)
家主「・・・・・・」と黙ったまま、自室のTVを見だす。
私「・・・・・・・」(考えがまとまらないのだろうと様子を見る)

しばらくすると、
家主「どこ行くの?」と再び聞いてくる。
私「外は暑いからどこか涼しいところでも行こうか?」「映画でもどう?」と返す。
家主「うん!」
私「じゃぁ〜。出かける用意をするか!」
家主「・・・・・・」(普段ならあれこれ動き出すのだが、「うん」がどうも空返事っぽい)
私「・・・・・」

そして、
カーテンを締め、ベットに入り、横になる家主。
私「朝、早起きしたから逆に動きが鈍い?」などと思って彼のペースに任せていると、
「ZZZZZ・・・」といびきが聞こえてきた。
私「二度寝????」

そして、そのまま二度寝からの熟睡。
お昼すぎに、もそっと起きてきた。
私「寝ちゃったね〜」「出かけますか?」
家主「うん」と言いつつTV前に座る。
私「昼ごはんにする?」とTV前にいる彼に声掛けすると
家主「うん」と言って出てきたので、昼食を作る。

昼食を摂りながら、
私「ご飯を食べ終わったら出かける?」
家主「うん」「どこ行くの?」
私「どこ行こうか〜?」「映画とかどう?」
家主「おぉ〜!」

昼食を終え片付けていると、
家主は再びベッドに上がりTVを観だした。
ベッドのそばに座り、一緒にTVを見る。
結構、真剣に観だしたので、私も横になって観ていると、
再びいびきが・・・
私「昼寝?」と思いつつ様子を見る。
食欲はあるし、起きている時の雰囲気から疲れは見えない。体調不良という様子もない。

結局、私もそのまま寝てしまい、気づけば16時。
私「どうするのだろう?」と思いつつ、とりあえず夕食の準備をしていると、家主が起きてきた。

私「おはよう〜」
家主「おぉ〜!」
私「どうする?出かける?」
家主「出かける」
私「晩御飯はどうしようか?」
家主「食べる」
私「作って食べる?外に食べに行く?」
家主「食べる」

そんなやり取りをしていると夕立が・・・・

慌てて洗濯物を取り込みつつ
私「雨だよ〜。どうしようか?」「家で食べてから出かけるか?」
家主「うん!」
と言う事で、夕食作り開始。
あれこれおしゃべりしつつ夕食を作って一緒に食べる。
時はすでに19時半。

食べ終わると、
家主「どこ行くの?」
私「この時間から?」
家主「どこ行くの?」
私「どこ行こうか?」
家主「バス!」

彼が「バス」というのは、「出かける」の意。
この時間になって、出かける気になったのか?

私「じゃぁ〜。バスで出かけよう」
家主「おぉ〜!」

と言う事で夜のお出かけ。

バス停に向かう道すがら、
家主「どこ行くの?」
私「バスに乗って出かけて、どこかでお茶でもして帰ってこよう」
家主「おぉ〜〜!」

と言う事でバスに乗り、駅へ出る。
駅前の商店街をウロウロしてお店を探していると、
家主「どこ行くの?」
私「どこかお店にでも入るか〜」
家主「どこ行くの?」
私「お茶でも飲もうよ」
家主「・・・・・」

しばらく歩くと再び
家主「どこ行くの?」
私「どこ行く?」
家主「どこ行くの?」
私「じゃあ帰る?」
家主「うん!!」

と言う事で、駅前をブラビらして再びバスに乗って帰りました。
時間にして2時間ほど。

家に着くなり
家主「風呂。どうすんの」
私「入ろうか」
家主「うん」

すぐさま風呂に入って楽しく過ごす家主。

風呂から上がり、その後もダラダラと過ごす家主。
時折、声をかけてくるので応える私。

普段ならすでに寝ている時間。
でも、昼間あれだけ寝たんだから眠れないのは必至。
彼のダラダラに付き合う。

そして24時過ぎ。
電灯を消して、扉を締めた家主。
しばらくしていびきが聞こえてきた。

そんなわけで結果、
一日中ダラダラと過ごした。

一人暮らしを始めてまもなく3年。
私の場面でこんな日は初めてかも。

よくよく振り返れば、
夏休み5日目(終了2日前)。
いっぱいお出かけして満足していたのだろう。
「どこ行くの?」はもしかしたら、「どこかいかなければならないの?」の意か?
もしかして、
夜のおでかけは、私に付き合ってくれた?

「本人の要望に即して介助をする」と言うのは簡単。
行動が激しい人の場合やいろんな言葉を持っている人の場合は、
行動や言葉が本人の意思をそのまま表現しているとは思わないけど、
本人の想いを知るきっかけにはなる。
でも、
「どこ行くの?」という言葉「うん」「おぉ〜」のみでのやり取りでは、
なかなか相手の思いが読み取れない。

読み取れないからあれこれ提案するも、
そもそも「出かける気がない」という意思なら、
提案そのもの意味をなさない。
だからといって
「今日はのんびり過ごす」と決め付けるわけにもいかない。

そんなことを考えつつ入る24時間の介助。
ダラダラと過ごす介助は、意外に疲れるという事を知った。
posted by 岩ちゃん at 10:56| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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