2015年11月01日

真夜中の依頼

24時間介助者をつけて自立生活を営む障害当事者たち。
当事者たちも大概は寝ているので、私も寝ることはできる。
しかし、
時折、当事者が目を覚まし、起こされて介助を担うということはある。

私が身体当事者の泊り介助に入っていた時、
本人の声に目を覚まし、言われたことをサクサクとこなして、私も本人も再び夢の中ということはあった。
大概は、「ちょっと、トイレ」とか「喉が渇いたので水を飲ませて」とか「体の向きを変えて」というもの。
私たちにとってはちょっとした事でも、身体障害の故にそのちょっとに介助が必要。
「それぐらい朝まで我慢してよ〜」という気はない。
また、夜中何ども体位交換する当事者の泊まりは、
そんなもんだと夜中起こされる事を覚悟して介助に入る。

これが、重度知的当事者の場合はどうだろうか?
どれほど強度行動障害があっても人は寝る。
ただ、寝るタイミングが当事者と私とでは違うので、
私が寝たい時には寝ていて欲しいと思う。
夜中ドタバタしている当事者のそばで寝ることはできないので、
寝ることは諦めて付き合うのは、それなりにできる。
寝ない覚悟で本人の様子を伺っていれば、
日中と同様に何を依頼したいのか?
何に困っているのかを想像することはある程度できる。

問題なのは、
夜中は、サクッと寝てしまう重度知的当事者の場合。

普段、一旦寝入ってしまえば朝まで寝ている当事者。
寝たのを確認して、こちらも寝ることはできる。
時折、夜遅くまで起きていることはある。
それは、いつもと変わらずやり取りして、
本人のタイミングで寝入ってしまえば、
私も寝ることはできる。

しかし、
そんな人でも一旦寝入ったからと言って、朝まで起きないとは限らない。
夜中に喉が渇くということもあるだろう。
夜中にトイレに行きたくなることもあるだろう。
そんな感じで、夜中に目を覚ますと介助者はすでに寝ている。
自分でやれることであれば介助者を起こさなくても良い。
でも、そればかりではないだろうし、
ある日夜中に目を覚ますと、普段とは異なる部屋の雰囲気に戸惑い、
どうして良いかわからないという事もあるかもしれない。

親もとにいた時は、夜中になにか食べようとすれば、
親御さんは健康を気遣い止めだろう。
でも、
一人暮らしを始めれば、夜中の不摂生は本人のもの。
介助者がダメとはいえない。
しかし、親御さんが健康を気遣っていていることであっても、
「夜中はダメ」と認識していたら、介助者に頼もうにも頼めない。

夜中に気分が悪くなっても、
介助者が寝ていて気づかなければ、
起こすこともできず、朝まで苦しむことになる。
(咳が激しいと介助者は目を覚ますだろうが、腹痛だと気づかないまま朝を迎える)

日中の介助の場面においても、
知的当事者たちは介助者に頼むという事が難しい。
ただ、本人と向き合う介助者はそれなりに本人の要望を察知して、
本人が頼めるように関わることができる。
しかし、
介助者が寝ている夜中だとそれは無理。

毎晩起きてくるならやりようもあるが、
たまに起きてくるという当事者の場合、
介助者は夜中の依頼があるとは想像もしない。

起きて何やらゴソゴソやっているのを察知するも、
単に「夜中に目が覚めただけ」と描き、黙って様子を伺うのみ。
逆に、「単に目が覚めただけ」なのに、あれこれやり取りすると睡眠の妨げになったりするのでややこしい。

大概は、何事も無く朝を迎える。
しかし、
時折、夜中に起きて何かをやった痕跡があったりする。
それが、思いもよらない状態だと、
つい、「夜中に何をやってたの!」と本人を責めたりする。
でも、
その痕跡は、自分なりの対処であり、
それを責めるならば、きちんと対処できるよう介助者に頼めば良い。
頼むことができないから、自分でやるしかなかったとも言える。

昨夜、ゴソゴソ夜中に起きて電灯をつけたり消したりしていた当事者。
朝私が起きた時には、普段通りに寝ていたので、単に夜中に目が覚めただけだと思った。
でも、その後次の介助者との交代時間になり、起きてきた当事者を見て、
夜中に目が覚めた理由が解った。
そして、
それをどうすれば良いか解らずに戸惑う彼を想像した。

真夜中の依頼。
日中ならさくっと頼めたり、
答えを求めたりできることも、
夜中、介助者が寝ている時にはできなかった当事者。

その痕跡から本人を責めるというのではなく、
頼むことができなかった=頼んでもらえなかった、
私と彼の関係を改めて考えなければならないと思った。
posted by 岩ちゃん at 07:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 支援を模索する | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/430476241
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック